Sちゃんが、ブルクミュラー(1806~1874)作曲 25の練習曲の「狩り」という曲になりました。
レッスンではまずイメージ作りから…。
ここでの「狩り」は、生きるために食べ物を得る手段というよりも、貴族の楽しみ、スポーツのようなもの。「動物がかわいそう…」という声もあがりますが、そんな時代と文化だったんだね、とごまかして…。
まず、狩りをしている場所は?
森の中かな? 草原かな?
動物が走る速さに負けないために乗り物に乗って狩りをするけど、何に乗っているかな?
車? 馬?
一人じゃなくてグループで狩りをしているみたいだけど、連携プレイをとるためにどうやって合図をする?
スマホ?! 叫ぶ? 角笛を使っていたんだよ。猟犬も一緒にいたみたいだよ。
そんな話をしながら、このリズムは馬の足音みたい、この和音の響きが角笛の合図の音だよ、と曲のイメージと音楽が結びついていきます。
「この悲しそうなところは、動物の子どもが「ママー」って泣いているのかも。」
「最後は2チームで「俺の方が大きいぞ」って自慢してるんだよ。」
などなど、子どもたちの想像力には驚かされます。
獲物もウサギ、キツネ、鹿から、クマやタヌキ(日本にしかいないかと…)、ライオンまで…なかなか大変そうな狩りもあります。
Sちゃんの「狩り」はどんなイメージかな?
これからどんどん想像をふくらませていきましょうね。
今週のレッスンでは、fと p の違いをはっきり付けて、勇ましい角笛の音と遠い森の奥から
聞こえてくる角笛の返事というイメージで弾きました。
「狩り」に関する曲は他にもいろいろあります。
メンデルスゾーン(1809~1847)作曲『無言歌集 Op.19-3』は「狩人の歌」とも呼ばれ、跳びはねるような躍動的なリズムと角笛を思わせる和音の響きがたくさん出てくる、とても楽しい曲です。
ウェーバー(1786~1826)のオペラ『魔弾の射手』の中の「狩人の合唱」も、聴いていて楽しい気分になる曲です。この狩人たちは本当に狩りを職業にしている村人で、ちょっと素朴で明るい、ホルンの音色と共に歌われる男声合唱曲です。
いろいろな「狩の曲」を聴くと、さらにイメージが広がるかもしれません。