ブルクミュラー 25の練習曲の中の「La Styrienne」は生徒たちに人気のある曲です。
出版社によって「スティリエンヌ」「スティリアの女」「シュタイヤーのおどり」などと訳されていますが、オーストリア・アルプスのシュタイアーマルク州のことを指しているようです。3拍子の踊りの曲で、素敵な民族衣装を着けた男女が踊っているような雰囲気があります。スタッカートや短いスラーから、軽やかなステップが想像できます。
中間部に1オクターブ以上(ファからレまでの13度音程など)の跳躍があり、外さないように弾かなきゃ…と生徒たちには難関になっています。ここは、高いジャンプをするような踊りを想像したり、アルプスのヨーデルという歌い方を例に挙げたりしています。高いジャンプをしたり高い音を歌ったりする時には、それなりの準備が必要です。しっかりとお腹に力を入れて、前の音から助走をつけて踏み切るように! 運動と結び付けると、うまく弾けるようです!
今この曲に挑戦しているMちゃんは、まだ1オクターブ届かない小さな手をした小柄な子ですが、左手の3拍子のリズムを跳びはねるように軽やかに弾いています。踊りをしっかりイメージしてくれたようです! 8小節ごとに調性も変わって、違う踊りになるみたい…。次のレッスンでは、踊りを考えてみたいなぁ。Mちゃんはいろいろおしゃべりをして意見を言ってくれるので、音の動きに合わせた踊りを一緒に作って楽しめそうです。